Tabun:Dabun

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来なかった未来が好きだ

 昔のフィクションに登場する、実際には来なかった未来描写が好きだ。

 

 例えばダーティペアとか、バブルガムクライシスとかあたりの80年代SFアニメでそういった描写が見られる。

 

・電話は公衆電話が生き残っていて、電話番号はアルファベット混じり。

・新聞はコンピュータから呼び出すが、電子書籍では無くFAXのようにプリントアウトされて、それを読む。

 みたいなやつ。

 パトレイバーに登場するロボット、レイバーのOSがMOみたいなディスクに入っているのもいい。

 世界設定では、レイズナーの「1996年に火星に進出しているが、冷戦が続いていて、火星を舞台にアメリカとソ連がにらみあっている」という設定がある。

 

 フィクション、特にSFは、未来に本当にこういう事が起こるかも、というワクワク感が魅力の一つだが、技術的にまだ実現できていないとか、実現不可である事がわかった、とかいうことでは無く、別のよりよい発想で実現されてしまった結果、完全にフィクションだけのものになった描写、ガジェットに魅力を感じる。

 

 時代それぞれで、その時の科学技術の延長で未来を想像するものだから、こういう結果になるのだろうなと思う。昔は携帯電話なんてここまで発達すると思っていなかったし、CD-Rとかでデータをやりとりしていた頃は、こんなにデータ通信が幅をきかせるようになるとは思っていなかった。

 

 その結果生まれるのが、「未来を舞台にしているけれど、懐かしい」という描写や作品群だ。

 しかし当時においては充分に未来感を発揮していたはずで、2017年現在、未来感を感じさせる描写が、30年くらい後にどのように古びて行くのか楽しみでならない。