脳味噌を絞り上げる快感 -GUILTY GEAR2 OVERTURE-
チェスボクシングという競技がある。チェスとボクシングを交互に行ない、どちらかで勝つことを目指す競技だ。
ボクシングでの肉体的な興奮状態とチェスに必要な集中力を切り替える事が難しく、かなり過酷な競技だそうだ。
TVゲームでこのチェスボクシングに近しい対戦ゲームがある。それがギルティギア2だ。
TVゲーム故に直接殴り合う肉体的な過酷さはない。しかしその代わりこのゲームではチェスとボクシングを交互に行うのではなく、同時に行うようにしてしまった。
・RTS+無双系アクション
このゲームにおいてチェスに相当するのが、俗にRTS(リアルタイムストラテジー)と呼ばれる要素。サーヴァントと呼ばれる自動戦闘ユニットの生産、司令による拠点の制圧及び防衛(陣取り)。
ボクシングに相当するのが、マスターと呼ばれるプレイヤーキャラを操作して行うアクション。いわゆる無双シリーズのように3Dフィールド上を駆け回りながら、敵ユニット(サーヴァント)、もしくは敵プレイヤー(マスター)と殴り合う部分だ。
サーヴァントを使って拠点を制圧することで、マナを呼ばれるお金を得、そのマナを使って更にサーヴァントを強化することで最終的に敵本拠地を陥落させる。
もしくは敵マスターを4回倒すことで勝利となる。
チェスもしくはボクシングで勝てばよいという同様の条件であるが、このゲームで特徴的なのは、二つを同時進行させる事と、様々なシステムにより、その相互関係を強化したことにある。
・RTSとアクションが相互に影響するシステム
プレイヤーはマスターと呼ばれるキャラクターを操作する事で、敵マスターを攻撃し、倒すことにより勝利に近づく事ができるが、それ以外にも敵が生産したユニット(サーヴァント)を攻撃する事もできる。
つまりユニットを生産し司令する司令塔でありつつ、自身強力なユニットの一人として、RTS部分に介入する事ができるのだ。
では無双シリーズのように、プレイヤーキャラの一騎当千で勝利できるゲームかと言うとそう簡単にはいかないバランスになっている。
確かにマスターは強力で、アクション面で相手を上回る事はかなりのメリットにはなる。しかし拠点の制圧及び本拠地の制圧においては、マスターの攻撃はほとんど戦力にならず、サーヴァントの力が必要な事、強力な上級サーヴァントの存在等により、マスター単体で、勝利を得ることは難しい。
またRTSで相手を上回ることで、自サーヴァントと連携し、アクションで有利な状況を作れるといった面もある。1対1でのアクションでは勝てなくても、数で上回る事で勝利を目指す事ができるのだ。
・資源はマナ。そして、時間。
マップに点在する拠点はお金であるマナを供給する。サーヴァントを使いお互いの拠点を制圧する事でマナを奪い合い、それによりサーヴァントを更に生産したり、回復、攻撃アイテムを購入し、更に拠点を増やし相手のマナを奪う……。
このゲームにおいてマナは最重要の資源だ。そして同じくらいこのゲームで重要な資源、それが「時間」だ。
全てがリアルタイムで進行するこのゲームにおいては、状況は常に進行しプレイヤーを待ってはくれない。しかもプレイヤーは司令塔であると同時に最強のユニットでもある。1秒たりとも無駄にしていい時間はない。
時間そのものは平等に与えられるが、その使い方が勝敗を分ける。
故にプレイヤーは常に最良の選択肢を最短の時間で選ぶ為に頭を悩ませ続ける事になる。敵マスターを追いかけるか、目の前のサーヴァントを叩くか、何を生産するか、もしくはアイテムを買うか、どこに進軍させるか、撤退させるか…等。
慣れない内は、アクションに夢中になる余り生産や指示がおろそかになったり、逆に指示に頭を悩ませている間に倒されたり……。
そういった期間を経て、ちょっとした合間に指示を出せるようになったり、時にはコンボを食らっている間に指示を出したりするようになると、立派なギルティギア2プレイヤーの仲間入りだ。
・脳味噌を絞り上げる快感
常に操作に追われ、思考に追われ、脳味噌を限界まで絞り上げる。その先に他では味わえない快感がある。それがこのゲーム「GUILTY GEAR2-OVERTURE-」だ。
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このような大変おもしろいゲームがsteam(PC)で1980円で販売中だ。セールで1000円を切る事もあるので、その時に入手するのもよいだろう。
レベルが近ければ初心者同士でも面白いと思うので、友達同士二人以上で始めるのがいいと思う。
既に10年前のゲームなので、今残っているプレイヤーは初心者にも優しく教えてくれる人が多いので頼るのも良いだろう。かくいう私もsteamで初めた初心者である。
長々と書いてきたが、要は面白いゲームだけど人が少ないのでみんな始めようぜ!という事なのである、このエントリを読んで一人でも初めてくれればこの目論見は成功である。